ロックンロールに恋をして3
血気盛んな少年だった私は、LET IT BEの綺麗なメロディやもはや若いとは言えない4人の顔から浮かぶ、他の様々な曲に満足できなかったんですね。
世間をあれだけ騒がせていたビートルズが、他にももっと素晴らしい曲、私の胸を躍らせる曲があるはずだ!
と、気を取り直し、ファーストアルバムから聞くことにしました。
Please Please Me を買いこんできました。
当時はLPレコードしかありませんでしたから、当然なのですが、ジャケットを覆っているビニールを剥がし、中に入っている紙に入ったレコードをそ~っと取り出し、静電気防止スプレーを直ぐに吹きかけていました。
そうしないと、静電気で部屋にある埃があっという間にレコードに付着してレコードに針を落として聞いているあいだ、ノイズが出て聞きずらくなるからです。
また、レコードと一緒に入っていた歌詞カード。
宝物でした。
何度、曲を聞きながら馴れない英語の歌詞を見ながら一緒に歌ったものか。
Please Please Meのレコードを静電気防止の儀式を終え、ステレオに乗せ針を落とし、じっと曲が始まるのを待ちました。
いきなり、One Two Three four !とポールのカウントが聞こえ、軽快な8ビートの曲、
I Saw her standing there が始まりました。
これには、びっくりして暫くぼ~っとただただ聴いていました。
心が躍るとはこういうことか!
私はこの瞬間からビートルズいや、ロックンロールのとりこになりました。
つづく